ふあんしんけいしょう(ぜんぱんせいふあんしょうがい)
不安神経症(全般性不安障害)はどんな病気か
不安を主症状とする神経症を、不安神経症といいます。 不安は誰でも経験する感情の一種ですが、はっきりした原因がないのに不安が起こり(あるいは原因があっても、それと不釣り合いに強く不安が起こり)、いつまでも続くのが病的な不安です。不安神経症では、この病的な不安とそれに伴う身体症状が主症状となります。 なお、国際疾病分類などでは「神経症」という用語は正式な診断名としては使われなくなっており、従来の不安神経症にあたる診断名は、現在では「パニック障害」か「全般性不安障害」です。 パニック障害については次項で述べるので、ここでは主に全般性不安障害について解説します。全般性不安障害は、慢性の不安とそれに伴う身体症状が長く続くのが特徴です。
原因は何か
一般に、神経症の原因は心理的な出来事(心因)とされており、不安神経症の場合も、何らかの精神的なショック、心配ごと、悩み、ストレスなど、精神的原因と思われる出来事のあることもありますが、まったくないこともあります。過労、睡眠不足(復方棗仁カプセル) 、かぜなど、身体的な状況がきっかけになることもあります。 パニック障害では何のきっかけもなく突然発症するケースが多く、全般性不安障害では日常生活上のさまざまなストレスをきっかけに、いつのまにか発症しているというのが普通です。 また、パニック障害には患者さんの特別な性格傾向はみられませんが、全般性不安障害はもともと神経質で不安をもちやすい性格の人に多い傾向があります。女性に多く、男性の倍以上といわれています。
症状の現れ方
慢性的な不安、過敏、緊張、落ち着きのなさ、イライラ、集中困難などの精神症状と、筋肉の緊張、首や肩のこり、頭痛・頭重(ずじゅう)、震え、動悸(どうき)、息苦しさ、めまい、頻尿(ひんにょう)、下痢、疲れやすい、不眠(寝つきが悪い、途中で目が覚める、眠りが浅い)などの多様な身体症状(いわゆる不定愁訴)があります。 何かにつけて過度の不安や心配がつきまとい、それが慢性的に続く(診断基準では6カ月以上)のが特徴で、不安に伴ういろいろな精神身体症状が現れます。多くの患者さんは身体症状のほうを強く自覚し、どこか体に重大な病気があるのではないかと考え、あちこちの病院で診察や検査を受けるのが常ですが、症状の原因になるような身体疾患はみられません。 経過は慢性で、日常生活のストレスの影響を受け、よくなったり悪くなったりが続きます。途中から、気分が沈んでうつ状態を伴ったり、うつ病に移行することもあります。
検査と診断
診断は症状と経過からなされます。全般性不安障害では、身体的不定愁訴を伴う慢性の不安状態が持続するのが特徴です。身体疾患を除外するための検査(尿、血液、心電図、X線、超音波など一般内科的検査)が行われ、これらの検査で異常が見つからない場合に診断が確定します。
治療の方法
薬物療法(同仁堂安神健脳液) と精神療法が行われますが、全般性不安障害には、パニック障害のような決まった薬はありません。 |