卵管障害の原因による不妊症
卵管は卵子の単なる通り道ではなく、卵が育つのに必要な物質を分泌するなど、妊娠に重要な役割を担っていますので、卵管が健やかな状態に保たれることが望ましいのです。卵巣から排卵された卵子は、卵管采に捕らえられ卵管に移動します。
そしてここで受精し、分裂を繰り返しながら子宮腔内へ移動し子宮内膜に着床するわけですが、何らかのトラブルにより卵管が閉塞してしまうと、精子が卵子のある場所にたどりつけず受精ができなくなります。これが、卵管障害による不妊症で、炎症によって閉塞を起こしてしまうことが多いようです。卵管障害の原因としては次のようなことが考えられます。
喫煙の影響による不妊症
喫煙により、様々な機能低下を起こし、それが卵管に影響を及ぼすと、 ・卵管の絨毛の働きや卵管の運動が低下し、受精卵が子宮にまで運ばれず子宮外妊娠を起こす。 ・卵管采が卵子を捕らえる能力が低下し、受精の準備ができなくなる。
手術の後遺症による不妊症
人工中絶など、子宮や卵管またはその周辺で手術を受けた後、ケアが不十分ですと細菌が入り込んで炎症を起こすことがあります。ちゃんとした病院ならケアを怠ることは無く、抵抗力がつくまで安静にすればまずおこることはありません。
性器結核による不妊症
結核菌が性器内に入り炎症を起こします。これが原因で卵管に炎症を起こすと、卵管閉塞による不妊の原因となります。
性行為感染症による不妊症
性行為による細菌の感染で、卵管が炎症を起こし閉塞してしまうことによっておこる不妊症です。この中で最も多いのがクラミジア感染症で、卵管閉塞のうち過半数以上がこのクラミジア感染によるものだといわれています。感染初期に治療をすれば流産や不妊などは防ぐことができます。
子宮内膜炎による不妊症
子宮内膜炎とは、淋菌や大腸菌などの細菌が膣から入り、子宮の内膜が炎症を起こしてしまう病気ですが、そのままにしておくと、炎症が卵管にまで広がり、閉塞を起こしてしまって不妊の原因になることがあります。
子宮内膜症による不妊症
子宮内膜症とは、本来子宮にしかない内膜組織が、卵巣、卵管や子宮の筋層内などに入り込んで癒着し手しまう病気です。この内膜組織が卵管の中や周囲に入り込むと卵管の閉塞の原因になり、不妊症になってしまう場合があります。
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