胃もたれ
胃もたれとは、胃での消化が遅くなって、飲食したものが胃の中にいつまでもとどまっているために起こる不快感を言います。その原因の多くは食べすぎ、飲みすぎですが、心理的なストレスによって胃の消化機能が低下し、胃もたれが起こることもあります。このほか、お腹が張る(腹部膨満感)、食欲不振、むかつき、胃の痛み、胸やけなどがある場合、胃もたれが長引くような場合は、何らかの病気によって胃がもたれている可能性があります。
漢方薬で胃もたれに対処しよう!
漢方で胃もたれは、「気・血・水(き・けつ・すい)」の「気」が不足している「気虚」の状態、あるいは「水」のバランスが悪くなっている「水毒」の状態と考えられています。そこで胃への血行を促して胃腸を温めることで胃の緊張を解いたり、胃に溜まった水を排出させたりする六君子湯(りっくんしとう)が、第一選択薬として用いられます。そのほか胃の血行をよくして消化機能を改善する人参湯(にんじんとう)、同じく胃の血行を良くして、自律神経のバランスを抑えたり、胃酸の分泌を調整したりする安中散(あんちゅうさん)が用いられることもあります。
漢方薬はいくつもの生薬によってできていますが、実は生薬の中には胃を健康にする健胃作用をもつ生薬がたくさんあります。漢方薬を飲んでも胃腸に負担がかかりにくい理由は、こうしした健胃作用の生薬が含まれているからです。
健胃成分が含まれる代表的な生薬
生姜(ショウキョウ)・黄岑(オウゴン)・人参(ニンジン)・竜胆(リュウタン)・黄連(オウレン)・黄柏(オウパク)・薄荷(ハッカ)・蒼朮(ソウジュツ)・桂皮(ケイヒ)・茴香(ウイキョウ)・陳皮(チンピ)など
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