漢方と睡眠
不眠のご相談は大変多いものです。漢方の睡眠薬の使い方ですが体力が衰えているか、心身が疲労していて、眠れないという人によく使用されます。 特に高齢者の方に多いのですが老化に伴って体力も衰え、なかなか眠れないというようなときに最適です。どちらかといえば身体の虚弱な人に使用される薬です。 主薬である酸棗仁には精神を安らかにして、疲れを取り、眠りを誘う効果があり、滋養強壮効果を持った、いわゆる精神安定剤のような働きをします(西洋薬で用いられる精神安定剤とはまったく異なります)。 体力が衰えている人、心身が疲労している人、高齢者で、顔色があまりよくないような人で、寝つきが悪くて悩んでいるというタイプの不眠症に、大変効果的です。 寝汗をかいたり、口がぱさぱさして乾燥するような人にも向いており、それほど強くはありませんが、神経衰弱、動悸などの神経症状があるときにも用いられます。
現代医学の睡眠薬と比較しても酸棗仁湯はきわめて安全に使用でき、習慣性も、効きすぎる心配もありません。飲んですぐに眠気が出るお薬ではありませんので1日3回服用と言う飲みかたをしますが翌朝爽やかにスッキリと目覚められます。
*デリケートな病気に適した漢方*
快食、快眠、快便という言葉があるように、夜ぐっすり眠れることは健康の基本です。しかし、寝つきが悪く眠れない、途中で何度も目が覚める、早く目が覚めてその後眠れなくなる、といった不眠症に悩まされる人が最近は増えているといわれています。こうした不眠を起こす原因には、外部環境の変化や睡眠時の状況、病気などの身体的原因、薬物による原因や中毒、年齢的な原因などがあげられます。
不眠の原因がはっきりしている時は、それに応じた対策がとられますが、大部分の不眠症は不安感や神経症などに起因するもので、治療は意外に厄介です。こうした「心」の領域に適しているのが漢方薬です。 不眠の漢方治療の特長はぐっすり眠れること。そして最終的には、薬に頼らなくても眠れることを目指します。 漢方薬で疲れやストレスによる不眠、不安を解消し、心身ともに健康で快適な生活を送りましょう。
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