舌の痛み
舌が痛い人はいませんか?舌が痛くて、薬局にこられる方は少ないのですが、他のご相談の方で舌の痛みも お持ちの方は結構いらっしゃいます。西洋医学ではカビの一種のカンジダや、ビタミンB12不足が原因と言われています。昔の人も舌の痛みに悩んだようで、中医学では古くから文献に見られます。中医学での、舌の痛みの特徴は、内臓の問題で、舌自体の問題ではないと考えていることです。
中医学では、舌の痛みの原因は大きく2タイプに分けています。 一つは内臓の熱(体温とは少し違う概念です)から来る痛みです。痛みも強いことが多く、その他の症状としてはイライラや、高血圧、口臭などを伴い、舌に赤い点々が見られることが多いです。 もう一つは、内臓の乾燥によるものです。痛みは、強くなったり弱くなったりすることが多く、同時に見られる症状としては、不眠や、不安感、食欲不振、時には動悸などを伴う人もいます。
●中医では“舌痛”の原因を次の様に考えています。
1.老化による肝腎虧虚で気血運行渋滞・脈絡受阻 2.情志不暢による肝鬱化火・肝火上擾 3.体弱多病による気血虚弱 で舌の筋脈を濡養出来ず舌痛を発生する。
●発病の機序は
1.心火亢盛 情志不舒により肝鬱化火となるか、 或いは辛辣醇酒を過食して,食積が熱化して, 心火が上炎し,舌体を灼傷し,血熱淤阻となり,通ぜざれば則ち痛む。
2.脾虚失運 飲食に傷つき,脾気が失運するか, 或いは水湿が内蘊し,経絡が阻滞し,気虚血淤となり,通ぜざれば則ち痛む。 或いは水穀を消化できず,精血が不足して,舌体失養のため痛む。
3.肝胆湿熱 脾虚湿停から,湿鬱化熱となり,湿熱が肝胆を熏蒸するや,肝胆の経脈は舌の両側を巡るゆえ,経脈が淤阻すれば,通ぜざれば則ち痛む。
4.陰虚火旺 老化による腎虧か, 或いは思慮過度のため,心腎を暗耗すると,陰虚火旺となり,虚火は上炎して,舌を灼き痛む。
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