二日酔いは、胃の熱を冷まし、利尿作用を促す漢方薬を使用。
不景気だからこそでしょうか、終電車には泥酔のサラリーマンが目立ちます。車内でのゲロゲロは、意識モーローのご当人はともかく、まわりのOLにとってはセクハラ並みの迷惑だとか。注意しましょう。
飲めや歌えで、酒席が盛り上がれば盛り上がるほどつらいのが、翌朝の二日酔いです。広辞苑によると【二日酔い(宿酔い)】の定義は「酒を多量に飲み、酩酊(めいてい)し、それが去った翌日に、頭痛、悪心などの中毒症状が残っている状態」とあります。この場合、頭のズキズキもさることながら、あなたの舌はどんな状態にあると思いますか。中国漢方では、舌は顔色や目とともに健康状態を反映する重要な個所とされ、舌診という独特の診断法を発展させてきました。
飲み過ぎによって胃の熱が強くなると、舌の表面についた苔が黄色味を帯びてくるようになり、ひどくなると苔は厚く、茶褐色になってきます。苔の色は胃の熱を、苔の厚さは胃腸に余分な水分のあることを表しています。
この状態を漢方で改善するには、熱を冷ます生薬と、余分な水分を尿として体外に排せつする生薬を一緒に使えばよいわけです。
一般的な処方としては、熱をさます「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」と、水分代謝を促し利尿作用のある「五苓散(ごれいさん)」を一緒に服用すると、二日酔いは速やかに解消します。黄連解毒湯に配合されている黄連は、消炎性の健胃薬として、黄ごんも消炎?解熱薬としてポピュラーな生薬で、市販の二日酔い?飲み過ぎ薬にもよく使われています。
中国漢方製剤としては、胃酸過多によるむかつき、もたれを抑える「快胃片(かいいへん)」があります。成分であるコウイカの甲は、烏賊骨(うぞくこつ)と呼ばれる漢方生薬であリ、酸を中和する制酸作用で胃のもたれをすっきり整えます。
なお、中年過ぎて翌朝に酔いや疲れが残りやすい人には、就寝前の「人参精(にんじんせい)」など薬用人参エキスの服用が効果的です。ただし、血圧の高い人やのぼせやすい人に人参は向きませんので注意して下さい。
いずれにしても、適度に飲んでいれば「百薬の長」といわれるお酒も、二日酔いするほど飲んでいては、身体によいはずがありません。海外の医学雑誌に掲載された「適量のアルコール使用の有益な面」と題された論文によれば、体重60キロの男性では1日にビール1〜2本、日本酒なら2合。この程度のアルコール量でも人の脳は十分解放され、ストレス解消の妙薬になるということをお忘れなく。
最後、肝臓を気になる方は、片仔廣茵胆平肝カプセルを勧め、アルコール飲みすぎに肝臓を安らぎ、二日酔いを解消効果は大変よい。 |